SIROMONO について
読みもの
ご利用ガイド

店長の一人語り

2024.05.21

TARKフライパンを一人語り。






手間すら楽しむ、嗜好の道具。

「手間」のかかることはなるべく避けてきた。僕はなかなかの効率厨なので、ひとつひとつの作業の効率化には余念がない。

たとえば洗い物ひとつをとっても、手の角度、洗剤量、最も短い距離で食器全体にスポンジを行き渡らせるムーブを考えていたりする。

実店舗併設の喫茶店で、洗い物のクオリティをスタッフに自慢するのが趣味。

ネタだと思う人は見にきてほしい。




さて、(何がさてなのかは置いといて)TARKの魅力というのは、こんな効率厨が、利便的であることや時短であることを無視して楽しむ嗜好品であるということだ。



まず、はっきり言って重い。

僕はそこそこ筋力はある方だが、鍋振りをしろと言われたら業務用の大きいコンロでないと、あちこちにぶつけて壊しそうで不安だ。

僕が使うTARK クラシック6号(28cm)で重さは約1900g。2kgダンベルくらいの重さならと学生時代に最初に買ったフライパン。


確かに、実測は2kg。ただ考慮できていなかったのは、フライパンは先の方がデカくて重いということ。そうなると体感はもっと重いものになる。

そして、フライパンは当時これしか持っていなかったので、焼き物、炒め物もやるし、来客時で作る量が多くなっても使う。

そうなると重さはマシマシになる。



続いて、狭い。浅い。

28cmは一般的な家庭用フライパンの中では大きめ。大は小を兼ねると信じていたので選んだが、そのスタイリッシュな形状のせいか量が入らない。28cmの焼き面はこのサイズ。


家族分の炒め物ともなるとこぼしまくる。直径に騙されてはいけない。

写真を見てもわかるとおり、平たくかっちょいいデザインなので汁気はほとんど無理。持ち上げたらフラフラしてこぼすだろう。



最後は、手がかかる。

おろしたての焼きならし(鉄のフライパンに油をなじませる作業)はもちろん、毎回使用後にすばやく洗う。そして錆びさせないために水気を拭き取って、空焼き(何も乗せていない状態で火にかける)する。

さらに使いやすくするために、しばらくはシーズニングもする。油をひたして火を入れて、じっくりと油をコーティングしていく。

正直言って、鉄のフライパンの中でもかなり手のかかる部類のアイテムだ。


TARKのデメリット まとめ

1. はっきり言って重い。
2. 焼き面が狭くて浅い。
3. 手がかかる。それなりに。


勝手にまとめてみたが、何を愛しているのかまったく伝わらないでしょう。ご安心ください。ここからが本番です。



「焼き」がTARKの真骨頂。

1857年の創業以来、150年間フライパンを打ち続けたターク社。これだけ愛されている道具が間違っているわけがない。そう、間違ったのは僕。

はじめてタークでステーキを焼いたとき、びっくりした。スーパーで買ったオーストラリア産の安くなっていた牛ステーキがステーキハウスに(ほんまかい)。

表面をこんがりと、そして中までじんわりと入る火入れは他のフライパンでなかなかできるものではないだろう。


炒め物もできる。それに火入れに関しては実際素晴らしい。ただ、さっきも話したとおり浅くて狭いので多い量はできない。

TARKは腰を据えて、じっくりと焼くのが最高なフライパンということだ。ジューっと音を鳴らせれば野外調理のそれになる。



一生壊せないフライパン。

TARKは武器。曲げるなんてことはなかなかできないし、ビジュアルも盾なので壊せない。


サビも怖がらなくていい。実際、僕は一回赤サビを大量発生させたが修復した。金属ヘラやスチールタワシでこそげとる。そしたらまた育て直すだけ。

使い手によって表情が変わる。

新品のときはカサカサとしてマットな質感。これをお手入れをしながら使い続けていくと、独特な黒光りが見えるようになる。

そうなったら、焦げ付きなんて起きないし滑るように食材を焼いていくようになる。

僕は10年ぐらい使っているが、1年後くらいにはこんな感じ。

自分が育てたまんま表情が変わっていく。まさに自分だけに見せる顔。


*上は、プレスパン。下はクラシックパンです。プレスパンは、持ち手が溶接である点と、クラシックパンと区別するためのラインが入っています。機能、材質等の違いはございません。

手間も五感で楽しむ。

葉巻や、焚き火、コーヒードリップやお茶点て。不便をあえてすることで、気づく楽しさがある。タークはそんな道具。

デメリットはわかりやすいくらいあるが、やっぱり買ってよかったと思えるもの。迷っている人は以下を参考にしてください。散々長話をしましたが最後にまとめておきます。



TARKの魅力 まとめ

1. 「焼き」に特化した最高な火入れ。
2. 一生壊せない、世代をまたぐフライパン。
3. 育てて表情の変わるホビー感。


TARKをオススメしない方。

・家族がいて、炒め物から焼き物まで、1つのフライパンで幅広くカバーしたい方。
・手入れをあんまりしたくない方。
・鍋振りでガッツリ炒め物のしたい方。



こんな方はぜひ。

・もう一段階上の「焼き入れ」をしたい方。
・アウトドアから、家庭(ガス/IH)までガシガシと使いたい方。
・手間を知った上でデザインに惚れている方。
・子どもや孫まで、相伝できる道具を育てたい方。








最近の読みもの

RECENT STORY

2024.05.25 | 特集

洋風な可愛らしい豆皿特集

2024.05.21 | 店長の一人語り

TARKフライパンを一人語り。

2024.05.21 | スタッフのちょうど品

「シンプルでも、かわいらしい」